鬼殺隊の柱の中でも最強と言われる岩柱・悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)。
鬼殺隊に入隊する人は、鬼に大切な人を奪われる過去を背負っていることが多いのですが、悲鳴嶼行冥もまたその一人です
今回は、涙を流しながら拝む姿が印象的な悲鳴嶼行冥の壮絶な過去を紹介します。
【生い立ち】岩柱の悲鳴嶼行冥は6人家族で幼少期に家族が帰らぬ人に
貧しい家庭で暮らす両親のもとに生まれ、兄と2人の弟の6人家族でした。
しかし、最終的には悲鳴嶼行冥1人のみを残し、家族は他界しています。
- 母親:出産時に亡くなる
- 父親:流行りの病気で亡くなる
- 兄:飢えや病気で亡くなる
- 弟2人:飢えや病気で亡くなる
その結果、悲鳴嶼行冥は天涯孤独となりました。
そんな境遇に追い打ちをかけるように、自身もまた幼い頃の高熱により視力を失い盲目となってしまいます。
【悲鳴嶼行冥】身寄りのない子供たちを寺で育てることに
孤児となった後は寺で育った悲鳴嶼行冥。
大人になってからは、自分と同じような境遇の子供たちを引き取って寺で一緒に暮らすようになります。
血のつながりはなくても子供たちは悲鳴嶼のことを「先生」と言って懐いており、幸せな生活を送っていました。
ちなみに寺は鬼が出る地域だったため、夜は必ず藤の花の香炉を焚き、子供たちには日が暮れる前に帰るよう言い聞かせていました。
寺に鬼が来襲して寺の子供が帰らぬ人に
ある日、言いつけを守らず日が暮れても寺に帰ってこない子供がいました。
その結果、鬼と鉢合わせしてしまい、その子供は命乞いのために”とある約束”を鬼とすることになります。
「寺にいる子供たちを自分の代わりに食べさせる」
鬼を誘導した子供は、藤の花の香炉を消して寺に招き入れてしまいます。
8人いた子供のうち4人は瞬時に帰らぬ人に。
悲鳴嶼は残った子供たちを守るために自分の後ろに隠れるよう言い聞かせますが、3人は恐怖で逃げ出し鬼の餌食になります。
→鬼を誘導した子どもの正体を確認する
鬼と契約を交わし、寺へ招き入れてしまった子供。
その子供はなんと、我妻善逸の兄弟子で後に鬼となり上弦の陸になる獪岳だったのです。
身寄りがなく悲鳴嶼行冥の寺に身を寄せていた獪岳ですが、寺のお金を盗んだことが他の子供たちにばれてしまい追い出されてしまいました。
そんな時に鬼に遭遇してしまい、自分だけ生き残るよう提案を持ち掛けたのです。
名前に使われている「獪」という字には「悪賢い」という意味があります。
まさに名前通りの行いに胸が痛みますね。
【悲鳴嶼行冥】鬼と拳で戦い勝利することに
背中に隠れていて唯一無事だった一番年下の少女・沙代を守るため、無我夢中で一晩中鬼を殴り続けます。
上背こそあるものの痩せ細っていて、喧嘩など一度もしたことのない悲鳴嶼行冥ですが、夜明け前に鬼の頭を拳一つで潰してしまいます。
【悲鳴嶼行冥】牢屋へ投獄されることに
朝になって鬼は消え去り、後に残ったのは子供たちの痛ましい遺体でした。
心配して駆けつけた人々に向かって、唯一生き残った沙代はこのように言ってしまうのです。
「あの人は化け物、あの人がみんな、みんな●した」
この発言と、鬼の跡形が一つもなく子供たちの遺体が転がる寺の惨状から悲鳴嶼行冥は殺人罪に問われ投獄されます。
沙代の発言は恐怖で頭が混乱していたためと頭では分かってはいましたが、この出来事により子供に対する不信感が芽生えてしまいます。
【悲鳴嶼行冥】産屋敷耀哉が助けてくれることに
しかし、処刑される寸前のところで悲鳴嶼行冥を助けてくれたのは鬼殺隊の当主・産屋敷耀哉でした。
「君が人を守るために戦ったということを知っているよ。君は人殺しではない」
この言葉で心が救われた悲鳴嶼は鬼殺隊に入隊します。
【悲鳴嶼行冥】最期のシーンで子供たちが謝ってくれた
悲しい過去を背負い鬼殺隊最強の柱となった悲鳴嶼行冥ですが、鬼舞辻無惨との最終決戦で瀕死の状態になります。
もう助からないと悟った悲鳴嶼は意識が朦朧とする中、寺子屋の子供たちが迎えに来ます。
守れなくてすまなかった。
そんな悲鳴嶼に対して、子供たちは「私たちこそ謝りたかった」と言います。
あの日逃げ出してしまったのは、目の見えない悲鳴嶼を助けるために人を呼びに行こうとしたり、農具を持ってきて応戦しようと思ったからだと告白します。
「傷つけてごめんなさい」「先生大好き」と言う子供たちに見守られながら穏やかな最期を迎えるのでした。
【悲鳴嶼行冥】沙代の話が公開されて話題に
悲鳴嶼行冥が命をかけて守った沙代ですが、実は裏話があります。
「あの人は化け物だ。みんなあの人が殺した。」
この時は悲鳴嶼行冥も周りの大人も『あの人=悲鳴嶼行冥』でした。
しかし、沙代の中では『あの人=襲った鬼』だったのです。
沙代はショックでまともな状態で話すことができず、さらに年齢も4歳。
そのため、うまく説明が出来ずに悲鳴嶼行冥に無罪の罪を被せてしまったようです。
そんな沙代は14歳になった今も後悔をしているようだと作中で明かされています。
まとめ
鬼殺隊の柱の中でも最強と言われている悲鳴嶼行冥の悲しい過去の中には上弦の陸となる獪岳との深い繋がりがありました。
家族も同然の子供たちを失ってもなお、人を守るために強くなろうとする志に頭が下がります。
最期に子供たちとのわだかまりが解けて本当に良かったと心から思わずにはいられません。
天国で子供たちと幸せに暮らしていることを願うばかりです。
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