上弦の参であり、徒手空拳で戦うスタイルで無類の強さを見せつける猗窩座。
“拳鬼”の別名を持っている十二鬼月の1人。
常に自己鍛錬に時間を費やし、多くの柱や剣士を葬って100年以上も上弦の地位についています。
そんな猗窩座ですが、人間時代は父や恋雪との別れなど、様々な人間模様がありました。
今回は猗窩座の人間時代の過去や、鬼となった切なすぎる経緯などをまとめてみました。
【生い立ち】猗窩座は父親が病気で薬代を稼ぐためスリをするように
猗窩座が人間だった頃の名前は”狛治(はくじ)”と言い、病に伏せる父親と2人で暮らしていました。
父親は働くことができなかったため、薬代を作るため、狛治がスリを働いていたようです。
しかし、悪事は上手く続くことはなく、奉行所に捕まるたびに腕に罪人の証である入れ墨を刻まれるのでした。
その墨は鬼になってからも消えず、鬼の模様と混ざり合い、特徴的なものになっています。
【猗窩座】父親が帰らぬ人に
11歳で捕まった時には大の男でも失神する百敲き(ひゃくたたき)を受けても、まったく懲りずに大口をたたく伯治。
その様子から奉行所にこう言われます。
お前は鬼子だ
そして6本目の入れ墨を入れられた際、父親は自分の子が犯罪に手を染めることに耐えられず、自死を選んでしまいます。
父親はこんな言葉を自分の息子に遺しました。
真っ当に生きろ、まだやり直せる
俺は人様から金品を奪ってまで、生きたくはない。
迷惑をかけて、申し訳なかった
その結果、狛治(猗窩座)はかえって自暴自棄になるのでした。
【猗窩座の過去】慶蔵との出会い
すさんだ生活を続ける狛治(猗窩座)の前に、道場を営んでいる慶蔵(けいぞう)という人物が現れます。
大人7人を素手で倒したことを見込み、自分の門下生になれと誘われましたが、伯治は「うるせえ」と一蹴。
そして2人は対決することになりましたが、慶蔵はその場を動くことなく殴り倒し、強引に道場に連れていきます。
【猗窩座】道場で恋雪と出会い看病することに
慶蔵は狛治の強さを認め、自分の娘である恋雪は身体が弱いので面倒を見てほしいと頼みます。
伯治は、初対面の人間に自分の娘の面倒を見させようとする慶蔵に戸惑います。
娘一人の家に罪人の俺を置いてっていいのかよ。
罪人のお前は先刻ボコボコにしてやっつけたから大丈夫だ!
そして伯治は対面した恋雪に、病弱で寝たきりだった自分の父親の姿を重ね心が揺らぎます。
伯治は門下生となり、稽古しながら恋雪の看病をすることになります。
【猗窩座】慶蔵から道場を継いでほしいと言われる
看病をするうちに荒んでいた伯治の心に変化が起こります。
3年の月日がたち、伯治が18歳になったときに慶蔵から、娘の恋雪と結婚して道場をついてほしいと告げられます。
罪人の入れ墨がある自分に対して、思いもよらぬ慶蔵からの言葉に戸惑う伯治。
しかし、自分の人生をやり直せるかもしれないと、慶蔵からの申し出を承諾するのでした。
【猗窩座】恋雪と結婚することを花火大会で誓うことに
花火大会を二人で見に行った時、伯治はあらためて「本当に俺でいいんですか?」と恋雪に聞きます。
病に伏せていた頃、数年先の”生きている自分の姿“を思い描くことができなかった恋雪。
今日(花火を)見に行けなくても、来年も再来年も、花火は上がるから、その時いけばいいですよ
この言葉がとてもうれしかったといい、伯治に好意を伝えます。
夫婦になってくれますか?
恋雪に思いを告げられた伯治は、一生をかけて恋雪を守ることを誓う。のでした。
恋雪が帰らぬ人に
月日がたったある日、伯治は恋雪との祝言を父親に報告するため墓参りに出かけます。
しかし、その帰路に恋雪と慶蔵が毒殺されたことを告げられるのでした。
犯人は以前から恋雪に好意を持っていた、隣の剣術道場の跡取り息子ということが分かります。
伯治と勝負しても勝てないと、慶蔵の井戸に毒を盛ったのでした。
猗窩座は復讐をするために暴走
死んだ二人と対面した伯治は怒り狂い我を忘れ、すぐに隣の剣術道場へ押しかけその場にいた跡取り息子を含めた67名を殴り殺します。
「ほとんどの遺体は 潰されて原型もなく ひしゃげた上 体の一部が 大きく欠損」しているという地獄絵図でした。
【猗窩座】鬼舞辻無惨と出会い鬼へ
伯治が剣道場の人間を殺害した後、あてもなく歩いていたところに鬼舞辻無惨が現れます。
自分の知らないところで鬼騒ぎが起きたことに興味をもち、様子を見に来たのでした。
伯治は目の前に現れた鬼舞辻無惨に攻撃を仕掛けるが、簡単にねじ伏せられ腕で頭を貫かれます。
精鋭を集めていた鬼舞辻無惨は、鬼とするべく伯治の身体に血を注ぎます。
生きる気力を失っていた伯治は
もうどうでもいい・・・すべてが・・・
と鬼になることを受け入れるのでした。
【猗窩座】強さを求める理由とは?
猗窩座は強さを追い求める鬼でしたが、一体なぜここまで強さを求めたのか。
その理由は恋雪に対して、誓った言葉が理由だと考えられます。
猗窩座は人間時代に自分のチカラが足りなかった気持ちが強かったのかもしれません。
実際に猗窩座の外見や技の名前に花火(誓った時は花火大会の日)が利用されていることを考えると、間違いないのではないでしょうか。
【番外編】道場に毒を入れた人物を簡単に紹介
こちらが道場の井戸に毒を入れた隣の道場の跡取り息子になります。
性格は乱暴だったようで、病気の恋雪を無理やり外に連れ出したこともあるんだとか。
その結果、恋雪が喘息を起こしてしまい、怖くなって逃げた過去も。
慶蔵が2度と娘に近づかないように誓いをさせる
慶蔵は喘息を引き起こさせた跡取り息子に怒り、試合をすることに。
試合には狛治も参加して、最終的に恋雪に近づかないことを約束させました。
しかし、その数年後に恨み続けていた息子が道場の井戸に毒を入れたようです。
最終的に慶蔵と恋雪は帰らぬ人になり、この出来事がきっかけで猗窩座が誕生することになったのでした。
まとめ
観るものを絶望させる恐ろしい存在の猗窩座ですが、自分の愛する者が次々と不幸に見舞われ、その責を自らに負うという悲しい過去がありました。
猗窩座は慶蔵から伝授された技を永遠に極めようとし、人間だったころの思い出が刻まれた技名などを付けています。
無限の時間を使い、自己を鍛錬しているのは「誰よりも強くなる」という恋雪との約束を守っているのでしょう。
鬼になりながらも、人間だったころの名残が垣間見れる猗窩座。
過去を知るにつけ切なくなりますね。
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