大人気マンガ「鬼滅の刃」。
そんな「鬼滅の刃」の上弦の鬼のモデルは、疫病などの病気だという説があります。
今回は、上弦の鬼の名前のモチーフになった病名を、まとめて紹介していきます。
【鬼滅の刃】上弦の鬼のモデルが伝染病や疫病と言われる理由は2つ!
鬼滅の刃に出てくる鬼ですが、元ネタは”病気”と言われています。
実際に上弦の鬼は伝染病がモチーフとされており、他の鬼も病気が元ネタとなっています。
では一体なぜ鬼の元ネタが病気なのか?というと、以下の2つが理由です。
- 昔の日本では病気=鬼と考えられていたから
- 鬼殺隊で出てくるモノが薬や医療と結びつくから
それぞれ確認していきましょう。
①昔の日本では病気=鬼と考えられていたから
昔の日本では、病気=「鬼の仕業」だと考えられていました。
医療の発達していない時代の人々にとって、病気は未知の存在であり、恐怖の対象です。
そのため、病気を「目に見えない脅威である鬼や神様の仕業」だと考え、病鬼などの言葉も生まれました。
昔は呪術師がお祓いしたり、疫病を疫病神として祀ったりすることで、病気を追い払おうとしていたそうです。
鬼=病気の擬人化の可能性が高い
鬼滅の刃に登場する鬼たちは、何千年もの長い期間にわたって人間を苦しめている「病気」の擬人化なのではないでしょうか。
鬼=病気であれば、最終決戦で鬼舞辻無惨を倒した決め手になったのが、珠世(たまよ)の作った「薬」であることも納得できます。
②鬼殺隊で出てくるモノが薬や医療と結びつくから
鬼が「病気」だとすると、鬼を倒す鬼殺隊は「薬」や「医療」だと考えられます。
主人公・竈門炭治郎の名前に「治」という漢字が使われているのは、「治療」を意味しているのかもしれません。
鬼滅の刃の舞台は大正時代であり、大正時代は医療技術が格段に進歩して治療薬の開発が盛んになった時期です。
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日輪刀=抗生物質のペニシリンが元ネタとの噂も
また、当時ドイツがペニシリン(抗生物質)をペニチリンと呼んでいたことから、日輪刀と名付けられたと考察されています。
そして上弦の鬼のモチーフとなった病気は、大正時代に治療法が確立し始めました。
100年以上生きている上弦の鬼を倒すことができた鬼殺隊は、病気を治す薬や医療のことを指していると考えられますね。
珠代の活躍も”薬”が関係している
最後に、鬼舞辻無惨を倒す決定打になったのは、同じ鬼である珠世の薬です。
珠世の血鬼術は「惑血(わくち)」というため、「ワクチン」が由来だと推測されています。
鬼滅の刃は、鬼と人間のバトルというだけでなく、「病気」と闘う「薬や医療」をテーマに描いた作品とも捉えられますね。
上弦の鬼のモチーフとなった病名はこちら
上弦の鬼のモチーフとなった病名の一覧を、以下の表にまとめました。
上弦の壱:黒死牟 | ペスト |
上弦の弐:童磨 | 結核 |
上弦の参:猗窩座 | 麻疹 |
旧・上弦の肆:半天狗 | ハンセン病 |
新・上弦の肆:鳴女 | 不明 |
上弦の伍:玉壺 | アメーバ赤痢 |
旧・上弦の陸:堕姫・妓夫太郎 | 梅毒 |
新・上弦の陸:獪岳 | コレラ |
それぞれの理由を紹介していきます。
【上弦の壱】黒死牟の疫病はペスト!
上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)のモチーフとなった疫病は、ペストだと考えられます。
中世ヨーロッパでパンデミックを起こした恐ろしい病気で、当時ヨーロッパでは人口の3分の1以上がペストで亡くなりました。
感染すると全身が黒い痣だらけになって死亡することから「黒死病」と呼ばれているのだとか。
「黒死病(こくしびょう)」と「黒死牟(こくしぼう)」、名前の響きが似ていますね。
また、黒死牟の顔に侵食されるような黒い痣があることからも、黒死牟はペストがモチーフだと考えられます。
【上弦の弐】童磨の疫病は結核!
上弦の弐・童磨(どうま)のモチーフとなった疫病は、結核だと考えられます。
結核菌を吸い込むことで、主に肺に炎症が起こる感染症です。
童磨の血鬼術も、細かい氷の霧を相手に吸い込ませて肺を壊死させるといったもの。
まさに結核をイメージして作られた技のように思えますね。
また、カナヲは童磨を倒す際、彼岸朱眼を使ったことにより右目を失明しました。
結核の治療薬の副作用に、視力低下の可能性があることからも、童磨のモチーフは結核でしょう。
【上弦の参】猗窩座の病名は麻疹
上弦の参・猗窩座(あかざ)のモチーフとなった病名は、麻疹(ましん/はしか)だと考えられます。
現在も有効な治療法が存在しないため、日本ではワクチン接種が推奨されている病気です。
風邪に似た症状に加えて、全身に赤い発疹が出ることから、昔は「赤斑瘡(あかもがさ)」と呼ばれていました。
「赤斑瘡(あかもがさ)」と「猗窩座(あかざ)」も名前が似ているため、赤斑瘡が名前の由来だと考えられます。
また、童磨は猗窩座より後に上弦の鬼になったと作中で説明されていますが、実は結核は麻疹より新しい病気です。
作者は、麻疹と結核の時系列も意識した上で、上弦の鬼の設定を考えたのではないでしょうか。
【旧・上弦の肆】半天狗の病名はハンセン病
旧・上弦の肆である半天狗(はんてんぐ)のモチーフとなった病名は、ハンセン病だと考えられます。
ハンセン病の症状は、手足の末梢神経が麻痺したり、皮膚に様々な変化が起こるなどです。
場合によっては、こぶができることもあるんだとか。
半天狗の頭にも大きなこぶがあるため、ハンセン病の症状と似ています。
ハンセン病の別名は”らい病”だった
また、ハンセン病はかつて「らい病」と呼ばれていました。
そのため、「らい=Lie=嘘」という考察がされています。
生前の半天狗は、盲目だと嘘をついて盗みや殺人を繰り返す悪人でした。
罪について追及されても、一貫して「やっていない」と嘘をつき続けます。
外見だけではなく嘘つきな性格も、ハンセン病をモチーフにしている可能性がありますね。
【新・上弦の肆】鳴女の病名は不明
新・上弦の肆である鳴女(なきめ)のモチーフとなった病名は、不明です。
鳴女は、琵琶を弾くことで無限城を操作したり、眼球鬼で探索を行うといった血鬼術を使います。
必要以上に話さないキャラクターで、人間だった頃の回想や説明はありません。
そのため、鳴女については何の病気が由来なのか判断が難しいです。
【上弦の伍】玉壺の病名はアメーバ赤痢
上弦の伍・玉壺(ぎょっこ)のモチーフとなった病名は、アメーバ赤痢だと考えられます。
赤痢アメーバ(寄生虫)に汚染された水を飲んだりすることで、大腸などの臓器に病変を引き起こす病気です。
感染すると、大腸に壺型の潰瘍を形成し、下痢や腹痛などの症状が現れます。
玉壺は、壺と水を操る血鬼術を使うため、アメーバ赤痢と玉壺には「壺」と「水」という共通点がありますね。
見た目が他の鬼と違う理由は寄生虫がモチーフだから?
また、玉壺が壺の中からうねうねと出てくる姿は、まるでアメーバそのものです。
そしてアメーバ赤痢は、他の上弦の鬼のモチーフと違い、菌ではなく寄生虫によって引き起こされます。
玉壺の見た目が、普通の鬼と異なるのも、そういった理由があるのかもしれません。
【旧・上弦の陸】堕姫・妓夫太郎の病気は梅毒
旧・上弦の陸である堕姫(だき)・妓夫太郎(ぎゅうたろう)のモチーフとなったのは、梅毒だと考えられます。
梅毒は代表的な性感染症であり、治療薬・ペニシリンが発見されるまで、不治の病として恐れられていた病気です。
そして、堕姫の人間だった頃の名前は「梅」。
作中で妓夫太郎が「お前は死んだ母親の病名から付けられたんだからな」と語っています。
母親の病名は公表されていませんが、遊女だったことことから、梅毒だった可能性が高いです。
そのため、堕姫のモチーフとなった病気は、梅毒で間違いないでしょう。
妓夫太郎の歯がギザギザなのは梅毒の1つの症状に一致
また妓夫太郎は、母の胎盤を通して子に遺伝することで発症する「先天性梅毒」だと考えられます。
先天性梅毒の症状の1つとして、歯の形成が不完全になることがあります。
そのため、歯がギザギザの妓夫太郎も、梅毒がモチーフである可能性が高いです。
【新・上弦の陸】獪岳の病気はコレラ
新・上弦の陸・獪岳(かいがく)のモチーフとなった病気は、コレラである可能性があります。
コレラは、コレラ菌に汚染された水や食物を口にすることで感染する急性腸炎です。
下痢と嘔吐によって、脱水症状が起きることがあります。
一方、獪岳の斬撃を受けると、皮膚の表面から水分がなくなり、顔や身体がひび割れます。
コレラと獪岳には、「脱水」という共通点があることが分かりますね。
ちなみに、対コレラの研究分野は、口腔解剖学です。
獪岳は、口腔解剖学(こうくうかいぼうがく)を略して、「かいがく」と名付けられたのではないでしょうか。
鬼舞辻無惨の病気のモデルは癌
鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)のモデルとなった病気は、癌(ガン)だと考えられます。
細菌や寄生虫によって引き起こされる感染症と違い、癌は人間の正常な細胞が変異した病気です。
鬼舞辻無惨は、初めて鬼となった「新生物」であり、唯一新たな鬼を生み出せる特別な存在でもあります。
癌細胞と鬼舞辻無惨の特徴は一致箇所が多い
鬼舞辻無惨は再生能力が凄まじく、斬られても瞬時に再生。
さらに、窮地に陥ると自ら身体を爆散させて逃げていました。
癌細胞も少しでも取り残してしまうと、そこから健康な細胞に転移してしまうという性質を持っています。
癌細胞と鬼舞辻無惨の共通点は、「増殖する(鬼を増やす)」、「転移する(爆発して移動する)」ですね。
そして、鬼舞辻無惨や鬼たちは、太陽光を浴びると死ぬという弱点があります。
太陽光は、癌細胞に対する放射線治療を表現しているという説もあるそうです。
下弦の鬼のモチーフとなった病名はこちら
下弦の鬼も、病気をモチーフにしている可能性があります。
下弦の壱:魘夢(えんむ) | 小さい頃は現実と夢の区別がついておらず、夢遊病と思われていた。(公式設定) |
下弦の弐:轆轤(ろくろ) | 妖怪の轆轤首(ろくろくび)は、離魂病の一種と言われている。 |
下弦の参:病葉(わくらば) | 病葉とは、病気に侵された葉のこと。 |
下弦の肆:零余子(むかご) | ニガカシュウのむかご(球状の芽)には、弱い毒性がある。 |
下弦の伍:累(るい) | 生まれつき病弱。 |
下弦の陸:釜鵺(かまぬえ) | 妖怪の鵺が、人間を病気にした話がある。 |
特に魘夢と累以外の鬼たちは、鬼舞辻無惨によって瞬殺されてしまったため、人間だった頃の回想や説明がありません。
おそらく下弦の鬼は、特定の病名をモチーフにした訳ではなさそうです。
何かしら病気に纏わる名前にしたと考えられます。
まとめ
今回は、「鬼滅の刃」の上弦の鬼のモチーフになった病名を、まとめて紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか。
上弦の鬼のモデルは、疫病などの病気である可能性が高いことが分かりました。
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